高速インターネット回線の普及やSNSの出現により、人々の生活において、動画はとても身近な存在となっています。多くの人が商品の購買を検討する際に、文字情報だけではなく、商品説明動画も参考にしているという現実があります。ここでは商品説明動画の普及や、その活用事例について解説をしていきます。
1 商品説明動画の普及
1.1 商品説明動画のパターン
2 SNSと商品説明動画
3 世界の商品説明動画の事例
3.1 海外の商品説明動画
3.2 日本の商品説明動画
4 これからの商品説明動画
8 まとめ
1 商品説明動画の普及
インターネットを閲覧していると、随所で広告動画が流れてくることが増えてきました。また、町を歩いていてもデジタルサイネージなどで、動画広告が流れていますし、ショップの店頭や展示会、病院の受付窓口、駅の案内など、日常生活において動画を目にしない日はないといっても過言ではないでしょう。
動画広告が現代において、ここまで普及したのは、いくつかの理由があります。まず第一に、動画制作の単価が安くなり、気軽に発注できるようになったことが挙げられます。制作する動画の品質や長さにもよりますが、シンプルで短いものだと、数万円程度から制作できる場合もあります。
また、インターネット回線が高速になり、広く普及したことも、理由の一つといえるでしょう。パソコンやスマートフォンなどで、気軽に動画が再生できるようになったために、人々が動画を見る機会は、ここ数年で爆発的に増えています。
1.1 商品説明動画のパターン
商品説明動画は、いくつかのパターンに分類されます。人々が最も見慣れているのは、古くからある、テレビコマーシャルタイプの商品説明動画です。商品そのものを説明し、商品の購買に直接つなぐための広告動画です。広告としての効果は高いですが、いかにもコマーシャルといった体裁であると、ユーザーが飛ばして見てしまう、といったデメリットもあります。
商品そのものではなく、商品や企業イメージを視聴者に植え付けるための動画もあります。この場合は、よりターゲットを絞ることが重要になってきます。例えば女性向けの商品なら、女性が好むような音楽を使い、商品に親しみや興味を持ってもらうことが目的となります。
最近増えているのは、コンテンツ型の商品説明動画です。現代では、おもしろ動画などの、短めの動画コンテンツが流行しています。コンテンツの面白さが話題になれば、SNSなどで広く拡散されます。この場合に重要なのは、「コンテンツと見せかけて実はコマーシャルだった」という、人を騙すような手法ではなく、「この企業がこんなにユニークなコンテンツを作ってきた」という印象を与えることです。最初からきちんと、PRであることを明らかにしている方が、視聴者が商品に抱くイメージは良くなります。
「3秒クッキング 爆速エビフライ」篇
ユーモラスなコンテツでありながら、ドコモの商品の速度が速いという説明にもなっています。SNSで広く拡散され、話題になった動画です。
2 SNSと商品説明動画
商品説明動画がその効果を最も高めるのが、SNSの活用です。フェイスブックやツイッターを活用し、自社アカウントに動画を投稿するのはもちろんですが、自社アカウントのタイムラインのみでは拡散に限界があります。フェイスブックやツイッターには広告枠がありますので、それを活用するのが効果的です。テレビコマーシャルの枠を購入するよりも安価で気軽に、ターゲットを絞って商品説明動画を拡散することが可能です。
3 世界の商品説明動画の事例
現在、世界各国で商品説明動画が活用されています。あまり大げさな宣伝ではなく、シンプルでメッセージ性のあるものが、現在のトレンドのようです。商品の特性を端的に伝えるための、商品説明動画が多く見られます。有名人やタレントを起用せずとも、ターゲットとなる「普通の人」や、商品開発者本人が、商品を説明する動画も多く見られます。
3.1 海外の商品説明動画
The new MacBook Pro — Design, Performance and Features — Apple
Appleの新しいMacBook Proの説明動画です。映像のクオリティは高いですが、淡々と商品の特徴を紹介しています。
Valentine’s Day Chibog Time with Wil Dasovich and COCA-COLA
母親とバレンタインデーを過ごす個人の投稿動画のように見えますが、フィリピンのコカコーラー社のオフシャル動画です。ユーチューバーブームの現代において、こういったフレンドリーな動画は人気が高いようです。
Adventure in the Outback | 2017 Land Cruiser | Toyota
アメリカのTOYOTAランドクルーザーの紹介動画です。2分間の動画の中で一切の解説もセリフもなく、冒険し続けるランドクルーザーを写しているだけのイメージ動画です。
製造業の進化をリードするパナソニックのスマートファクトリーソリューション~第17回中国国際工業博覧会
パナソニックのソリューションを解説する動画です。中国国際工業博覧会に出展されたものです。
3.2 日本の商品説明動画
東芝タテ型洗濯乾燥機 AW-10SV5 「マジックドラム」篇
東芝の洗濯機の紹介動画です。主に静止画とイラストを活用した、チープな作りの商品紹介動画ですが、製品の特徴がきちんと説明されています。
120台のLUMIXで3D撮影できる「3D PHOTO Lab.」オープン@パナソニックセンター大阪
パナソニックのデジタルカメラ、LUMIXを活用したフィギュア作成システムの紹介動画です。開発者がテクノロジーを解説しています。
これがヨーグルトの新しい食べ方だ!
イオントップバリュー商品の説明動画です。人気ユーチューバーのセイキンとのタイアップの動画になっています。ユーチューバーのチャンネルで流すことにより、広く拡散されています。また、イオンやマックスバリューの店頭でも上映されていました。
Mayla classic リズティーン パンプス 商品紹介動画
ナレーションも音楽もない、ごく短い動画ですが、商品全ての角度から確認することができます。既に購買を検討していて、商品の全体像を知りたいターゲット向けの動画です。
4 これからの商品説明動画
現在の商品説明動画は、シンプルかつフレンドリーに、商品の特徴やイメージを説明するのがトレンドですが、これからの商品説明動画はどうなっていくのでしょうか。
動画制作はますます安価に、クオリティの高いものが作られるようになってきています。商品に対して、説明動画はあってあたりまえの時代が到来しつつあります。実際に、商品の購入を検討している顧客は、ウェブサイトの文字や画像の情報だけではなく、動画でのレビューを検索することも多いようです。
ユーチューブなどの動画投稿サイトで商品を検索した場合、一般ユーザーの好意的なレビューがあれば良いですが、そうでない場合はとくに、自社で制作した商品説明動画があるかないかが、重要になってきます。
また、近い将来、VRを用いた商品紹介動画も普及していくことでしょう。仮想現実を用い、自分の部屋に家具を設置したり、洋服を試着したり、商品を手にとって体感したりできるシステムは、既に現実のものとなっています。
5 まとめ
より安価に簡単に作ることができるようになった、商品説明動画ですが、動画があるのが当然といった時代になりつつあります。トレンドを意識しながらも、「動画でなにを伝えたいのか」といった、目的意識を持てば、商品説明動画はより効果的な集客、購買につながることでしょう。